1.天然ポゾラン
(1) 概  説
 ポゾランの名称はイタリアのナポリの近くにある火山灰産地の町ポゾリー
(Pozzoli)に由来する。ここから産する火山灰は、ローマ時代より、消石灰と
混合してレンガをつくったり、レンガ積みの目地モルタルに用いられていた。
ポゾラン自身は水で練っても硬化する性質はないが、水の存在下で水酸化
カルシウム(Ca(OH)2)と常温で反応し接着性能を示す。

[改 訂 版]
セメント・コンクリート用
混  和  材  料

(技 術 書 院)

天然シリカ質混和材

  コンクリートに及ぼす影響
 天然ポゾランがコンクリートに及ぼす代表的な効果としては、次のような
ことがいわれている。

@ ワーカビリティーの向上(適切な粒形と粒度分布が必要)
A 水和熱の減少(マスコンクリートに適する)
B 長期強度の増進(適切な養成が必要)
C 耐硫酸塩性などの化学抵抗性の向上(Ca(OH)2が少なくなるため)
D 水密性の向上(細孔量の減少による)

 また、適切な天然ポゾランはコンクリートの品質改善に役立つばかりでなく、
省資源、省エネルギーの観点からも有益である。

性能・性質